駅前では、毎年冬が近づくと一本の木にイルミネーションが飾りつけられる。
たぶん、クリスマスを意識しているんだと思う。でも、だからと言ってそこまでクリスマスの色をしているわけでもない。
まだ銀杏並木が綺麗でほんのり暖かい秋の暮れ頃に、その木は駅前の隅っこで地味に輝き始める。
そして、クリスマスが終わって正月がひと段落する頃に静かに役目を終える。
だから、クリスマスのイルミネーションというよりも、年が暮れてから明けるまでのふわっとした時期を彩る飾りつけなのだと、僕は勝手に解釈している。
2018.12.21