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永久の未完成これ完成である(宮沢賢治)

詩人の宮沢賢治の好きな言葉に、「永久の未完成これ完成である」という一節がある。

これは、宮沢賢治が私塾で使用するために執筆した、『農民芸術概論概要』の最後のほうに記された言葉。

“詩人は苦痛をも享楽する
永久の未完成これ完成である”

永遠に辿り着くことはないが、確かに知っている景色に向かって歩き続ける。歩き続けることそのものがすなわち完成なのだという、仏教徒であり、詩人である宮沢賢治らしい意味の込められた言葉だと思う。

昨日、この一節を幾度も頭のなかで唱えながら僕は歩いた。

どんな苦しみでも、その苦しみを否定することなく、丸ごと肯定してくれるような響きだった。

2019.2.6

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東京23区外を知る「東京のB面」

駅前の本屋に並んでいた『東京23区外さんぽ』という新刊本の表紙に気になるフレーズがあった。

東京のB面。

最近では、もはや「B面」という言い方自体があまり聞かないレトロな言葉になっている。

僕が中学生の頃には、B面とは数曲が収録されたCDのときにシングル曲のカップリングのほうを指した言葉だった(元の由来はアナログレコードやカセットテープに遡る)。

売れるための曲(A面)ではないぶん、意外と良曲があったり遊び心が詰まっていたり、ファンにとっては、B面はB面の味わい深さがある。

この本は、東京の23区外の地域をまとめたエッセイ集で、一見するとちょっと地味に思われる23区外の地域を「東京のB面」と称していた。

B級グルメ、と言うように、必ずしもBだから劣っているのではなく、認知度も低く、高級感もないが、Bならではの味がある。

東京のB面も、知名度こそないが、その土地に特有の味がある、ということを表現しているのだろう。面白い言い回しだなと思う。

2018.12.21

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