まねぶ
学ぶは真似ぶ、と言われる。学ぶと真似るは語源が同じで、真似をしながら学んでいくことが大事、ということを意味する。
また、僕の好きな言葉に、「型があるから型破り、型がなければ形無し」という歌舞伎の世界の格言がある。
まずしっかりと基本の型が身についているからこそ、型破りなことができる。型がなかれば、それは単なる形無しにすぎない、と。
確か学生時代に読んだ名言集のような本で知った言葉だったと思う。
部活の経験でも基本の大事さは実感しているので、僕はこのまねぶや型が重要、というのはちゃんとしたいなと思っている。
ただ、創作に関して言うと、まねぶ、と言って真似てみても、全然しっくり来ない。
他人の服を着ている感覚で、それが自分で気色が悪くなり、「こんなもの」と思う。自分のつくるものが嫌いになる。
一方で、真似たものが全否定かと言うと、その「こんなもの」と言って叩きつけ、割れた破片から、ちらほらと自分らしい何かのヒントが見つかる。
その過程を経て、だんだん自分らしさのようなものがぼんやりと見えてくる。