寂しさの埋め方

寂しさの埋め方

秋冬の肌寒い空気になってくると、夜にいっそう寂しさが去来するようになる。

寂しさは、ちょうど心の底の暗い穴から吸い込まれるような風が吹き込んでくる。

この穴を閉じないと、と思う。

なぜ、いつから、この穴が空いているのかわからない。

ただ、ときどき閉じていたはずの穴が開き、風がひゅうっと吹いては寂しさの渦に吸い込まれそうになる。

人はそれぞれにこの寂しさの埋め方を探している。

アルコールやセックスで埋めるひともいるし、歌ったり言葉にすることで埋めるひともいる。

やけ食いするひともいれば、走ることで紛らわそうとするひともいる。

その寂しさの埋め方に善悪はないと僕は思う。

なるべくなら、繰り返しても体を壊さず、心も壊さず、というもののほうがいい、というだけに過ぎない。

僕の寂しさの埋め方と言えば、一つは散歩をすること。ただ夜道をぼんやりと歩く。

あとは、音楽を聴くこと。

音楽は、寂しさを吹き飛ばすような明るい曲よりは、寂しさに寄り添ってくれる静かな曲を聴く。

たとえば、キース・ジャレットの奏でる『I Loves You,Porgy』は、冬の夜にもぴったりの曲だと思う。

2020.10.21

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