雀の冬
よく晴れた元日の朝、近所を散歩していたら、雀たちの鳴き声が聴こえてきた。
雀は渡り鳥ではなく、冬でもこれまでと変わらない生活を送る。羽根を蓄え、冷たい冬の空気をしのぐ。
だから冬の雀は、夏に比べるとぷっくら太って見える。
夏と冬の雀を比較した写真を見ると、笑っちゃうくらいに膨らみ、可愛い姿をしている。
また、冬になると雀は集団生活もするようになる。集団で暖をとり、みんなで餌を探す。
雑食性で、木の実から虫、イネ科の植物、人間の残飯までなんでも食べる。
ただ、冬には餌も少なくなるので、多くの若い雀たちが冬を越えられずに亡くなってしまうそうだ。
彼らは、渡り鳥として遠くに行ってしまうわけでもなく、冬眠するわけでもなく、今までと同じ場所にとどまり、命がけで越冬する。
東京では雀が激減している、という話もある。でも、この街ではまだ雀が暮らしてくれている。
冬の乾いた空気が、雀の鳴き声に潤される。
2019.1.2