台風と、雨上がりの金木犀の匂い

台風と、雨上がりの金木犀の匂い

ふんわりと甘い金木犀の匂いは、秋の風物詩でもある。

金木犀の匂いが漂ってくると聴きたくなる音楽が、きのこ帝国の『金木犀の夜』。タイトル通り、金木犀の夜に最高におすすめの曲。

ただ、今年の秋は一向に金木犀の香りがしなかった。

もしかしたら東京など地域的なものなのかもしれない。ツイッターでは少し前からちらほらと金木犀の匂いがしたと呟いているひともいた。

そして、台風。

大型の台風で、東京も各地で河川の氾濫が危険視された。僕の住んでいる街でも避難勧告が出たり、一部では浸水や停電の被害に遭った。

台風が去った直後の夜道、どこに隠れていたのか、雨が上がってすぐにコオロギなど秋の虫たちが鳴き始めた。

雲が通り抜け、綺麗な丸い月が顔を出し、夜更けには東京ではありえないほどに星も見えたそうだ。

それから翌日、台風一過でよく晴れた雨上がりの道を歩いていたら、ふわっと金木犀の香りがした。

この秋、初めての金木犀だった。

雨風の影響で花が散ってしまうなら分かるが、むしろ咲いたのだろうか。でも、確かに金木犀は雨上がりが似合う気がする。

2019.10.16

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台風一家の意味

台風が去った。

この辺りでは台風の影響はほとんどなく、雨も思い出したようにときおり降る程度で、激しい風だけがゆっくり吹き抜けていくようだった。

そして、昨日は台風一過で暑く、むしろこの寒暖差のほうが辛かった。

台風一過と言えば、子供の頃、僕は「台風一過」のことを「台風一家」と間違えて覚えていた。

勘違いというのは面白いもので、いったん「そう」だと思うと、自然に論理付が始まる。

てっきり、台風本体が親で、過ぎ去ったあとの晴れが子供、という意味なのだろう、と思い込んでいた。暴風雨のあとに、ぴょんぴょんと晴れがついていく、「台風一家」。

今でも台風一過が訪れると、小さなトトロが思い浮かぶ。

2019.8.18

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小田急線沿いの桜の穴場スポットと写真

今年の春はなぜか無性に桜が見たいという謎の衝動が湧き、小田急線沿いの桜がきれいなスポットをカメラを持って巡ってきた。

以下、春に撮影した小田急線沿い(都心から離れた穴場的な場所が中心)の桜の風景写真を、スポットごとにまとめた。

①狛江の桜まつり

東京と神奈川の県境、小田急線の和泉多摩川駅から徒歩10分、多摩川近くで開かれる桜まつりの光景。花見客も、このお祭りのときがいちばん賑わっている。

多摩川沿いの土手に沿って並ぶ桜や、すぐ隣を走る通りに咲き誇る桜並木もとてもきれいで、この辺りは桜の名所として有名。

新宿から電車で30分以内で、お祭りの日でも多摩川沿いは座って見れる場所もあるので、穴場がよければ、おすすめの花見スポットだと思う。

②宿河原二ヶ領用水

和泉多摩川駅から一つ隣、神奈川県にある小田急線登戸駅から歩いて10分ほどで着く(最寄駅は南武線の宿河原駅)、宿河原二ヶ領用水の桜(読み方は「しゅくがわらにかりょうようすい」)。

ここも結構な穴場だと思う。よほどピーク時の休日でないかぎりは座ってお花見することができる。

僕はこの宿河原二ヶ領用水の桜がいちばん好きかもしれない。

人もそれほど多くはないし、静かで、小川を優しく包むように桜が咲いている。はらはらと桜の花びらが散って水面に降り立つ光景はずっと見ていられる。

桜のトンネルをずんずん奥に入っていくと隠れ家のような気分になるし、子供たちが遊んでいる様子を眺めていると、なんだか昔にタイムスリップしたような錯覚さえ起こす。

不思議と懐かしい景色が広がっている。

小川と桜のなかを南武線の電車が過ぎ去っていく瞬間は、人気の撮影ポイントでもあり、カメラを持った人たちがじっと待ち構えている。

③成城学園前

小田急線の成城学園前駅北口から歩いて5分ほどの閑静な住宅街には、まっすぐ伸びる桜並木がある。

成城は豪邸が多いことでも有名で、ちょうどこの桜並木の辺りは、一体どんな人たちが住んでいるんだろう、と思うような大きな家々が建ち並ぶ。

通りに面しているので座って見ることはできないが、ふらっと散歩しながらのお花見に適している。

ちなみに、森山直太朗さんの名曲『さくら』は、ここ成城の桜がモデル。

駅から、森山さんが通っていた成城学園までの道すがらに咲いていた桜をイメージして作詞したと言う。

④仙川沿い

こちらも、最寄駅は小田急線の成城学園前駅の桜の穴場。ただ、徒歩だと30分くらいかかるのでバスに乗ったほうがいいと思う。

バスで10分くらいの場所に東宝スタジオがある。出入り口付近にあるゴジラの人形に桜吹雪がかかる光景は(うまく撮れなかったが)幻想的だった。

東宝スタジオの奥にはひっそりと仙川が流れ、川沿いを桜並木が続く。

桜を眺めながら仙川沿いを上っていくと成城学園前駅近くに出るので、もし可能なら歩きながら川沿いの桜を堪能するのもおすすめだと思う。僕も歩きながら写真を撮ったりぼうっと眺めたりした。桜を観ながらだと、思ったよりもあっという間だった。

座って見る感じではないものの、途中で休憩できるベンチもちらほらとある。

2019.8.14

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プレステ版初代『モンスターファーム』の復刻

ちょっと話題になっていたのが初代『モンスターファーム』の復刻の話。

懐かしい名前に思わず心が踊った。『モンスターファーム』は初期のプレステのゲームで、モンスター育成ゲーム。僕も一時期ずいぶんのめり込んだ。

割と同じような時期にポケモンも発売されているし、デジモンも流行ったので、その一連のモンスターもの流行の流れの一つとも言える。

モンスターファーム(よく略して「モンファー」と呼んだ)の最大の特徴は、CDでモンスターを生み出すことができる、というシステム。好きな音楽のCDをプレステに入れ、読み込むと、モンスターが生まれる。当時、自分が持っているCDだけではなく、両親のCDなども使ってモンスターを生み出していた。別にCDが中古だろうと古かろうとモンスターの質には関係ないが、印象として古い作品や洋楽はケースの雰囲気からきっと凄いのが生まれるに違いない、と思っていた。

CDによってモンスターの種類が変わる、というのは、一体どういう仕組みになっているのだろうか。子供の頃は考えたこともなかった。そういうものだと思っていたが、よく考えると不思議だなと思う。

基本のモンスターとして、以下の12種類が登場する。

①ディノ
恐竜のようなモンスター。全体的にバランスが取れた能力を持っている。

②ゴーレム
岩でできた巨人のようなモンスター。ちからがすごい上に成長しやすく技の攻撃力も高いが命中や回避は低い。

③ライガー
犬のようなモンスター。まじめ度が高く育てやすい。技は命中率は高いが攻撃力と丈夫さが低い。

④ピクシー
妖精のようなモンスター。かしこさが成長しやすく回避能力も高いがライフに難がありわがままである。ガッツ回復速度が非常に速く、対戦用モンスターのSUB血統としても高い人気を誇る。

⑤ワーム
芋虫のようなモンスター。回避と丈夫さは育ちにくいがライフが非常に成長しやすく打たれ強い。技はちから系の技が多い。ストレスと疲労が無い状態にしていると、他の種類のモンスターに羽化する事がある。

⑥ゲル
流動的なゲル状のボディを持ったモンスター。丈夫さとかしこさが成長しやすいが回避が上がり辛い。

⑦スエゾー
大きなひとつの目玉のある球体の体に尻尾がくっついたような形をしている奇妙なモンスター。ふまじめで育てにくいがバランス技にまでガッツダウン効果がある。能力的にはライフが低くてかしこさが高め。

⑧ハム
両手がボクシンググローブのような形状をした ウサギのようなモンスター。ちからと回避が成長しやすいがライフと丈夫さが低い。

⑨ガリ
太陽のような形の仮面とマントからなるモンスター。かしこさが成長しやすく技もかしこさ系のものが充実している。他の能力も問題なく伸びるが短命なのが欠点。

⑩モノリス
板状のモンスター。『2001年宇宙の旅』に登場するモノリスが由来。丈夫さが高く、成長しやすいが回避が上がり辛い。

①①ナーガ
鋭い爪を持ったヘビのようなモンスター。インド神話のナーガが由来。短命でふまじめだが能力は高い。ちからと命中は上がり易く短期間で強くなるが、賢さが上がり辛い。

①②プラント
植物のモンスター。ライフが成長しやすく、寿命も長い。意外に力技が多い。ライフが上がり易いがちからは上がりづらい。この種族のピクシー派生であるベニヒメソウが後述のモンスター甲子園で猛威を振るった。

出典 :『モンスターファーム』

この12種類の基本モンスター以外にドラゴンなど8種類の隠れモンスターもいる。また、モンスター同士の混種もそれぞれ存在する。

僕の好きだった組み合わせは、ピクシー×ガリ、ハム×モノリス、ゲル×ナーガ。おしゃれで賢いのが好みだった。よく遊んだ幼馴染はゴーレム×ガリを使っていた。

モンスターファームでは他人とも対戦できるが、今のようにネット環境も充実していなかったし、田舎で、他校との繋がりも薄かったので、対戦するのは大抵近所の決まった友人だけだった。

極端な話、この世界でモンスターファームがどれだけのひとに遊ばれているのか、その頃の僕には知る由もなかった。

だから、このモンスターファームの復刻版配信のニュースについてツイッターで呟いている人たちが大勢いるのを見たときに、ああ、僕らの生きていたあの小さな世界の外側にも確かにモンスターファームはあったんだな、という感動があった。

ポケモンにせよ、モンスターファームにせよ、あの頃好きだったモンスターはどこか自分の性格や理想の本質をついているような気がするし、また外の世界と簡単に繋がれないゲームの世界もよかったなあと、色々懐かしかった。

2019.7.26

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バンクシーと登戸

バンクシーと登戸

神奈川の川崎市登戸で起きた事件の現場には、今も少しだけ手向けられた花が残り、フェンスに掛かった掲示板には、この場所にあった他の多くの花はカリタス学園に届けられたという旨の言葉がある。

事件当時は建設途中だった現場前の建物はほとんど完成し、止まったままの時間と、進んでいる時間が交錯していた。

現場付近を歩いていたら、裏通りの柱に、ふとバンクシーのような絵を見つけた。東京でのバンクシー騒動以来、全国で彼の作風を模した絵が増えているのだろうか。

バンクシーは、芸術の力を使って世界をほんの少し優しいものにする。ロンドンを中心に活動し、未だ正体は不明。

世界のあらゆる場所にふいに現れ、絵を描き、誰にも知られず去っていく。

バンクシーについてそれほど多くを知っているわけではないが、イギリスに留学していた友人からお土産でもらった画集を一つだけ持っている。

バンクシーは、たとえば火炎瓶を投げようとする少年の絵を描き、その少年の手に花束を持たせるなど、平和への想いを絵に込める。

作品に強いメッセージ性を込めるアーティストなので、東京で見つかった“バンクシーの作品”(カバンらしきものを持って黒い傘を差したネズミの絵)が、もし仮に本物なら、一体どんなメッセージが込められていたのだろう。

東京で描かれたことに、果たして意味があるのだろうか。絵そのもの以上に、ほんとうはそれが大事なのだと思う。

ちなみに、この登戸にあったバンクシー風の絵の一つには、英語で文字が添えられていた。バンクシーの絵にも赤字で添えられる作品があるので、その影響なのかもしれない。

WHY PILLAR HERE?(なぜここに柱?)

柱の影で、血のついた鎌のような刃物を持ったネズミのような生き物が隠れている。柱の影から狙っている、といった意味合いなのだろうか。

どのタイミングで描かれた絵なのかは分からないが、もし事件後だとすれば、正直ちょっと悪趣味な気がする。

2019.7.12

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